マンガ感想:はだしのゲン
去年、同じ時期にKindleで半額セールをやっていて、迷ってるうちに
セールが終了してしまったので、今年は購入。
小学校の頃、図書室に置いてあった様な記憶があったが未読。
ざっくりとした感想は、70年代のアメリカン・ニューシネマ
っぽい雰囲気というか、ベトナム戦争の影響を感じた。
([ホテル・カリフォルニア]とか、[傘がない]とか、70年代はそんな時代だった?)
子沢山が貧乏の原因では?と疑うのは、現代的な価値観だろうか。
まず、前半は面白かった。
いかにも現実に実在しそうなキャラクターとエピソードが、話を引っ張っていく。
後半になると、キャラが少年から青年になる過程と、
時代が戦中〜戦後と復興していくにつれ、
[無力な女子供が]「戦争、貧困、放射線」などの
[理不尽に立ち向かう]という面白さが、
豊かになって力をつけると、理不尽な部分が解消されて、
ダイナミズムを失ってしまう感じがした。
少年ジャンプの連載が終了した後に、掲載誌が変わったから
政治主張が増えたというより、キャラクターや時代背景が成長してしまったから、
そうせざるを得ないという印象。
子供がヤクザに利用されたり、やり返されたりする描写があるが、
ブラジルのファベーラなんかでも、少年がギャング化
(映画:シティ・オブ・ゴッド)したりしてるので、
本当にヤクザが子供にやり返されたり、というのもあったのだろう。
日本の村社会的な文化は、インターネットの発達、浸透によって可視化され、
新型コロナで発露。
あまり変わってない。
もし続きがあったなら、上京編は絵描きとしての、マンガ道的な内容に加えて
「モータリゼーションの被害者」「公害問題」「水爆実験」
最後は総理大臣、もしくは防衛大臣になった
町内会長:鮫島伝次郎に、絵(マンガ?)で打ち負かす(恥をかかせる)
様な内容だろうか?
そうなると、もう「はだしの」ゲンでは無いけども。