読書感想:PIXAR <ピクサー> 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話
ハリウッドで映画化されるのではないだろうか、と思う程に面白い。
トイストーリー公開前後、1年半くらいの、お金と権利についてのお話。
元々PXARは長編アニメを作る目的では無く、企業などにCG製作機材やソフトウェアを売る
ビジネスモデル。
プロモーションとして作っていた短編ムービーが評価され、トイストーリーに到る。
長編アニメ以外でも収益を確保しようとするも、十分では無く、トイストーリーの
ヒット頼みの綱渡り状態。
トイストーリーもディズニーとの契約上、大ヒットでないと会社の成長は難しい。
(懐に入るのは10%程)
すでにジョブズは10年に渡り、会社に50〜60億投資している。
公開間際になっても、社員に対するストックオプションの割当が決まっていない。
(ジョブズはアップル追放の事もあったからなのか、社員に対しての割当に渋い様子)
その事から、ジョブズと社員の間で溝。
という状態から、
トイストーリー大ヒット。
上場する為の人集め。
株式公開で製作費を捻出、ディズニーとの再交渉。
など、製作の泥臭く、作品を作る人間がやりたがらないような仕事の話。
「金とスターが物をいう」
「ハリウッドの中にシリコンバレーの風が吹いた」
思った以上にハリウッドは保守的らしい。
感想としては、金を出している人間には逆らえないという事と、
大金が掛かっている分、映画は恐ろしいなぁと。
また、最後の章ではリタイア後に、中道思想に目覚め、瞑想などの啓蒙活動を始めたらしい。
昨今のマインドフルネスブームも、この人の周辺から来ているのだろうか。
今回からアマゾンプライムを利用してみた。
今のところ非常に満足。
特別PIXARのファンという訳でも無く、お金を1000円以上出して読もう
とは思わなかっただろうから、とても良かった。
価値のある一冊。